「キリト、どうかしたのか?」
「あれ、クライン・・・お前こそ、風林火山の面々は?」
ソロのキリトは一人のときが多いが、クラインが一人というのは珍しい。野武士スタイルのクラインと黒い服のキリト。
「ちょっとした買い物だよ。キリトは?」
「結晶とか、回復のをな」
「普段だったら、エギルのところに顔出してなかったか?」
「そうなんだけど、本当にちょっとしたものだったら、寄らないんだよ。お前こそ、俺と話してて大丈夫か?」
ビーターという言葉を考えてキリトはそうもらす。クラインは苦笑いをするしかない。もしも本当にそういう奴らがいたとしても、ソロで狩れるのは知れてるし、危険度も高い。確かに、おいしい狩場などは知っているだろう。だが、一人だと無理したら死ぬのだ。それがこの世界だから。
「そんな気にしなくても大丈夫さ。最前線の奴らで気づいてる奴らは気づいてるさ。ソロの危険性もな。何人がそれで死んだことやら」
「まぁ、そうなんだけどな」
死んだ者たちの中には確かに、戦いなどで死んだ者もいる。しかし、ソロの単独で死ぬものも少なくないのだ。キリトのようにソロで残ってるのは数えるほどだ。安全マージンがあっても、麻痺や毒で死ぬこともあるのだから。トラップやらも危険なものの一つだ。それが分かってきてるからこそ、ビーターと声だかに言うものは減っていったのだ。一人で大丈夫だって言ってて死んだ奴らもいるということなのだが。
「キリトは相変わらず、ソロか?」
「まぁな。それに、俺の場合は、な」
「俺たちは気にしないし、気が向いたらでいいからさ」
「ああ。じゃあ、俺、あっちだから」
「おぅ。元気そうで良かったぜ」
クラインの言葉にキリトは苦笑い。それもそうだというのが心境だ。無理や無茶に付き合わせたことがあるからこそだ。
「クラインも無理はするなよ」
「キリトもな」
「「またな」」
言葉は同じ。また、会うことを願う。お互い生き残ることを・・・
(というような男同士の語り合いとかあったら、それはそれで良かったなぁと思ったり思わなかったり)
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