「ユーリ」
「シャスティル、先輩、この状況はなんなんでしょうか?」
隊長が亡くなり、ユーリやフレンがその元凶たる人物を倒した。私とヒスカは知らない間に起きたこと。泣いて落ち込んでる私たちにユーリは元気付けてくれた。ヒスカにはちょっと厳しいけど剣の稽古で。私にはどこぞのお店でお酒に付き合ってくれた。愚痴を零したらって意味なのだろう。なんだかんだで面倒見が良いのだろう。本人も寂しいと思うのだけど。フレンはユルギスの代わりも勤めてるため忙しい。もうシゾンタニアを放棄は決定してるからこそか。
「珍しく先輩なんてつけるのね」
「いや、流石にベットに押さえつけられるって」
お酒も飲んで、良い気分なのだが雨が降ってきたために一時的に空いてるお宅を借りた。といっても、お互いに服も濡れてるためしばらくは乾かしてる。火をたいて服を干して。そのためお互いに下着姿だ。
「人肌って温かいって知ってる?」
「いや、だからって足、足絡まってる」
「ユーリ、心臓が飛び跳ねてるわよ」
「うがっ」
こういう所は男なんだな。一応女性も知ってるだろう。フレンは全く知らないみたいだけど、ユーリはそれ相応に知っていてこういう風に育ったのだろう。良い風といえば良い風だけど。
「寂しいのよ。ヒスカと居ても泣いてしまうから」
「……悪い」
「忘れさせて、一時で良いから」
「分かった」
ユーリと私は服を着始めた。事も終り、汗やらも流した。空き家を勝手に使ったが問題ないだろう。しかし、ユーリはかなり上手かった。百戦錬磨とは言わないだろうが、あまり経験の無い私を気遣ってくれてたように思える。しかし、そこはそれだ。確かに忘れさせてくれたし。なんだかんだでユーリのちょっとしたことを知った。ユーリってセクシーだし、声もエロいって事だ。そのうちユーリにも誰か大切な人が出来て、こういうのも知ってる人が増えるのだろうけど、大量にいてそうで怖いわ。ま、関与すべきことじゃない。
「実はさ、俺、騎士団辞めるつもりなんだ」
「やっぱり。フレンも相談に着たわ。ユルギスにも聞いてたし」
「そか。ま、俺は俺で色々考えてみるわ」
「そうね。ユーリ、帰りましょうか?」
「そうだな。ヒスカやフレンあたりが怒りそうだけど」
「大丈夫よ。買い物に出てご飯食べてお酒飲んで雨のために雨宿りしただけで終わるでしょ」
「それもそうか」
走れば良いじゃないと言われても、女の子特有の日とでも言えば納得するだろう。主に慣れてないフレンが。お互いに頷いて外へと出る。雨も上がり空に星が瞬いてる。もうすぐ此処からの風景は見れなくなるのか。そして、ちょっと手のかかる男も居なくなると思うと、少し寂しいと思う。皆、そうなのだろうけど。
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