「だるくん、おかりんは?」
「おかりん? おかりんだったら、さっき出かけたお」
「そっか。顔色悪かったから、気になったんだけど」
「そうだったかお?」
「どこに出かけるか聞いてない?」
「確か近くのコンビニって」
「そっか」
パタパタと出るまゆりにダルは少しだけ笑う。『おかりんの人質なのです』と言っていたまゆりだからこその心配なのか、それともという所がつくが。
「しかしあれだな。私には聞かないのね」
「多分、普段の癖だお」
「そうなんだ」
「それに、牧瀬氏、気づいてなかったお」
「そういわれても普段どおりにしか見えなかったから」
「僕もそう思う」
だが、付き合いの長さから分かるというのもあるのも事実だ。だからこそ、まゆりを止めないのだが。
「ただいま~」
「って、早いわね」
ドアを開けて入ってきたまゆりと岡部。岡部はぐったりと崩れ落ちた。
「岡部!?」
「大丈夫かお?」
びっくりして二人が岡部に駆け寄る。
「ベンチで休んでた。やっぱり寝てたほうが良いよ」
「しかし、今、何も無いから」
冷蔵庫やら他食べ物系が無いのだ。それで買い出しとついでにおかゆでもと思ったのだが、そこに行く前に体力が続かなかったのだ。
「買い物してくるわ。ちょっとした食べ物とおかゆくらい」
「悪い」
「橋田はどうする?」
「僕は今日は帰るお。流石に邪魔しちゃ悪いし」
空気を読んだというか考えた結果だ。ただ、この後の展開を読んだのかもしれない。
「紅莉栖ちゃん、お願い」
「まぁ、本当に適当になるからね。じゃあ、また」
「うん」
ソファでぐったりしてる岡部に皆、それぞれのすべきことをする。ただ、岡部は知らない。この後、女性二人の看病により、病気になったら大変であるということが。
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