「ゆういち~、あけましておめでとうございますだよ~」
「ああ。あけましておめでとう、名雪」
新年の挨拶もそこそこに俺はただいま困った事態になっていた。母さんと父さんも元日にはって事で目処を立てて日本に帰国してきた。といっても、秋子さんの家に。
「父さん、母さん、あけましておめでとうございます」
「おめでとう、祐一」
挨拶をしつつ俺は外を見る。雪景色。変わらないなぁ。
「大学のほうは大丈夫か?」
「もう少し勉強しておくつもりだけど。悪いな。帰ってきてるのにあまり一緒に居れなくて」
「いいのよ。元気そうで何よりだわ。落ち着いたみたいだしね」
もう8年前のことになるけど、そのことを思い出し落ち込んだ俺だった。それを言ったのは秋子さんだったのだ。勿論、両親に最初は着てもらおうとかだったのだけど、俺が断ったのだ。今年受験だし、このままこちらに大学に進学するつもりだったからだ。合格かどうかは分からないけど。
「受験生に正月とかはな」
「そうか。そうだな。明日には帰ることになるが」
「良いよ。とりあえず合格とか分かったら連絡するわ」
「そうね。秋子ばかりからじゃあ、流石にね」
「すみません」
両親に何も連絡しなかったので、流石にそれらに関しては注意しないとなぁ。さ、勉強勉強。名雪みたいに推薦取ってるわけじゃないのだから。
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