「エステル、大丈夫?」
「リタ、ありがとうございます」
傷付いた仲間のために、アイテムを投げて渡す。アイテムスローというスキルをつけてアイテムを渡しつつ、すぐさま襲ってくる敵にため息が出る。大きな敵だからこそ力をあわせてなのだが、厄介なのが敵が新たな敵を呼ぶ技である。一度それが入るたびに一匹一匹と増えるのだ。そのため味方も傷付いてばかりだ。
「ユーリ、大丈夫ですか?」
「あいつは元気よ。それよりも、カロルよ、カロル」
小さな身体で大きな武器を振り回してるのだが、如何せん敵の数が多すぎる。技を叫ぶ声は聞こえてるのが無事ということである証拠ではあるのだが。
「平原歩いていてまさかの遭遇ですね」
それぞれ構える。エステルは近くに居る敵をリタの方に行かないようにするため。そして、リタは魔法を唱えきる。はっきりといえば、全体に及ぶ魔法というのはありがたいことだ。ユーリとカロルも唱えられた魔法のおかげですぐに駆け寄ってくる。
「二人とも大丈夫か?」
「ええ。カロル、大丈夫です?」
「ぼくはなんとか」
声に元気は無いが、ユーリにしてもカロルにしても目の前の敵を見る。
「大きすぎだろう。こういうときこそ本来の『魔狩りの牙』の出番だろうに」
「仕方ないよ。それよりも、また来るよ」
「あとで絶対甘い物作って食ってやる」
「私もお願い」
「任せろ。エステルは?」
「私もお願いします。肉はもう、いやです」
的がちょっといのししっぽい生き物のため、肉は見飽きたという事だ。いや、消えるのでどっこいどっこいなのだが。このあと、2時間ほど戦い続け勝利を収めるのだが、全員疲労困憊だったとか。
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