「ユーリ、どうかしたの?」
「ん、ああ。カロル。ちょっと、ジュディが仕事をな。ほら、このあと仕事はしばらく休みって言ってただろ?」
「うん。ずっと働き詰めだし、皆で休憩で三日ほど休みって言ったけど」
星喰みが精霊へと変わって凛々の明星の面々は空も飛べることもあり世界中を駆けずり回ってるのだ。結界魔導器対策のため、騎士やらギルドやらのモンスターと闘う人たちが町で駐屯してるのだ。団長ですらまともに帝國に居ないという状態である。
「急ぎなの?」
「ええ。ユーリをオルニオンまで連れて行かないといけないのよ」
「ユーリを? もしかして魔物が出たとか? 警備が足りないとか?」
「違うんだ」
「うふふ、ほらユーリが隠し持っていた服覚えてる?」
「ああ。あの騎士服」
聖騎士の衣装がユーリの衣装袋の中にあったのだ。それを見つけたのがなんとジュディスだった。カロルとジュディスには黙っていたために二人から色々と質問された。なんせ装飾やらされてる服だからどういうものかの説明も必要だったのだ。そして、納得した。誰から受け取ったかは分からないが、何となく帝國がらみというのも理解していた。
「付き返そうにも、ふわふわ皇帝もフレンも捕まりやがらねーし。そしたら」
「ユーリ・ローウェルに聖騎士爵を渡したいってギルドに通達があったのよ。で、レイブンの例もあるから良いじゃないかって事と友好という事を大々的に知らせるチャンスということで組織としてもOK出したのよ」
「あ、それで。ぼくの方に話が着てないのはついさっき決まったんだね」
「そうなのよ」
「分かったよ。じゃあ、ユーリとジュディス、それにぼくはハルルによって、リタとエステル拾って、オルニオンだね」
「仕事のお金は安いけど良いの?」
「別に大丈夫だよ。ユーリにとっては休みならないけど」
「あ、やっぱり三日から引くんだな」
「そりゃあね。このあとも色々とね」
休みが極端に少ないのは有名になったからだ。ギルドとして風変わりではあるが少数精鋭、星喰み問題解決、そして、ブラスティア文明の終りを招いた立役者たちだ。戦闘に関しては右に出るものが居ないほどである。カロル、ジュディス、ユーリ、ラピードの三人プラス一匹でほとんどの魔物は攻撃する前に終わるというものだ。ビッグボスあたりは耐えるのだが、それでも毎度というわけでも無いのだから、かわいそうと言える。
「デイドンのほうからビッグボス退治にハルル周辺の魔物討伐、帝國下町の壁製作に、ダングレフトの周囲の魔物退治、オルニオンもあるね。ユウマンジュからも着てるよ」
「ま、俺たちらしいけどな」
「そうね」
「わん」
「でもまずは、一つ一つね」
「ああ」
「そうね。じゃあ、行きましょうか」
「そうだね」
二人してユーリの腕を取る。ジュディスとカロルに挟まれて後ろにはラピードが動きを封じる。ユーリは観念してそのまま連れて行かれるのだった。そのあと、オルニオンでユーリは自由聖騎士という名を頂いたのだった。
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