「ねぇ、青年」
「なんだ、おっさん」
レイブンは目の前にある料理を見て、ユーリに言葉をかける。それを聞きながらも目の前の食べ物を口に運ぶユーリ。その手に迷いも戸惑いも無い。そのまま口にパクパクと運んでいる。
「なんで今回の料理もフルーツパフェなのかしら?」
すでに十数回は同じ料理である。戦闘後にそれぞれ料理を作る。ただ、今回料理当番はユーリであった。本日というわけじゃないが、他の面々も少し困った顔をしている。
「体力回復はエステルとおっさんがしてくれるけど、使った精神的な力は甘い物に限るしな」
笑顔で言い切るユーリにレイブンは周りを見る。戦闘に出る面々は色々だが、ユーリは絶対に出ている。本人が闘いたいというのもあるが。
「でも、十数回も同じ料理はどうかと」
「まぁ、分からないでもないけど、とりあえず皆がダメージ喰らって回復役の二人が肩で息してる場所だしな。ダイエットやら他もろもろの事情は分からないでもないけど、とりあえず戦闘が楽になるまではこのままだな」
リタは確かにと頷く。
「此処の敵はちょっと厄介だし、このまましばらくして敵が変わらないようなら一端引くか何かするんでしょう?」
「ああ、その予定だ。というわけで、次あたりで決めないと食材も心元ないしな」
「分かりました。私たちは無理に進んでは危険だって事ですね」
「そういうことだね」
ユーリは頷いてカロルを見る。カロルも頷いてる。カロル、リタはなんだかんだで甘いのが好きなのでパフェをさくっと食べきる。次の戦闘の準備だ。危険を承知では進んでるが無理しては駄目だろう。待たせたら良いのだ。空でぷかぷか浮いてるものには。
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