「お姉ちゃん、どうかしたの?」
「ん、どうかって何で? なのは」
「なんだか、泣いてるように見えたから」
「そうかな?」
庭でぼぅっと立ってた美由希。その後姿がなのはには泣いてるように見えた。
「違ったならごめんなさい」
「謝らなくても良いの。なんていうか、ほら、恭ちゃんがフィアッセと付き合い始めたでしょ」
「うん」
「それで色々と思う事があったんだよ」
「そうなんだ」
「忍さんも那美さんもあると思うよ」
美由希の言葉になのはは何も言わず、そのまま頷いた。結局何がどうなのか当人にしか分からないから。なのはとしてはどういうことか聴いても理解できない部分があるから。
「あまり外に出てても薄着じゃあ風邪を引いちゃうよ。私も中に入るし」
「うん」
素直な妹に美由希は笑みを浮かべる。なのはもいつかこの思いを味わうときが来るかもしれない。それでも、自分の初恋と思いはしばらく忘れないだろう。
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