「デニム!!」
倒れるデニムに全員が慌てる。なんせ、急にふらっとしたかと思ったら倒れたのだ。意識も無いみたいだし、それぞれが慌てる。特にデニムの姉のカチュアが医者やらなんやらを急ぎ呼んでいる。
「あ~、大丈夫だ。こりゃあ、単に疲れが出ただけだ」
「カノープスさん、そうは言うけど」
冷静に言うカノープスにカチュアが言葉を返す。
「ま、戦士にも休息とか娯楽は必要なんだけどな。デニム真面目だからなぁ」
「お酒を勧めるとかは流石に」
「そういえば、デニムがかたくなに断ってたけど何でだ?」
「甘えてくる程度ならなんてことは無いのだけどね、一度父さんと飲みに行ったときに、女性を連れ帰ってきてたわ」
「お持ち帰り?」
「ええ。びっくりしたわ。ベビーフェイスで甘えまくるし」
「それはそれで良い発散になるんじゃないか?」
「本人が覚えてないのに?」
「そりゃ駄目だわ」
もしもお酒なんて飲んで翌日、困った顔のデニムが浮かぶというものだ。
「とりあえず、あそこで相談してる面々止めないとな」
「オリビアもだけど、ラヴィニスも話してたりするのは驚くわ」
「悪戯がしたいって所だろ。サラもいるみたいだし」
「は~、前途多難だわ」
「あははは」
倒れてるデニムを介抱しながら運ぶ。町に運びゆっくり過ごせば、そのうち元気になるだろう。たまに起こることだ。ただ、翌日もデニムが起きず大きな騒ぎとなるのだが、それは二人ともまだ知らない。
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