「フェイトちゃん、肩に糸くずがついてるよ」
「え?」
なのはがフェイトの肩から糸くずを取る。どこでついたかとか分からないが、身だしなみというのは大事だ。フェイトもそれに「ありがとう、なのは」と返す。管理外世界の地球で二人一緒に帰るのは時たまある。はやてとも一緒という三人一緒は無いし、今日はアリサとすずかも習い事があるため、一緒ではない。
「掃除中にでもついたのかな」
「そうだと思うけど。明日の宿題ちょっと多いよね」
「あれ? 出てたのって先週じゃなかったっけ?」
「そうなんだけど」
フェイトは言葉を濁す。なのはは首を捻るが、何となく思い至った。
「そっか。執務官の勉強してるんだったっけ」
「うん。ちゃんと両立しないとって思ってるんだけど、間に合わなくて」
「それくらいなら良いよ。翠屋寄っていく? 家に来る?」
「私の家でもいいんだけど」
「そうしようかな。お母さんたちには連絡しておくよ」
「ごめんね」
「それくらい良いよ。それに、私も危なかったし」
「え?」
「ほら、丁度土日にあったじゃない。お姉ちゃんに教えてもらったし」
「ああ」
学業と嘱託との両立は厳しい。なんというか、大変なのだ。色々と。そして、なのはとフェイトも渦中の人物であるからこそ、どちらかが段々と厳しくなっていく。中学を卒業は後二年は先。まだ中学に上がったばかりなのにだ。
「フェイトちゃん、この先考えてる」
「一応はね。なのはは?」
「一応かな。でも、お父さんにもお母さんにもちゃんと相談しないと」
「そうだね」
お互いに思うことはある。それでも、進路はやはり相談しないとという思いはある。親思いである。そして、それぞれに歩いていく。未来へ、と
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