「メリークリスマ~ス&名雪誕生日おめでとう」
「メリークリスマス、それにありがとう。あゆちゃん、真琴、お母さん」
水瀬家のクリスマス。それは、名雪の誕生日祝いでもある。勿論、本来なら相沢祐一も参加なのだが、本日に限って言えば、23日から連続してパーティしてるからと今日は違うところに言っている。25日は彼女と一緒にって魂胆があるためだ。
「祐一さんが居なくて残念?」
「ううん。それに、祐一のことは仕方ないよ。お付き合いしてる人がしてる人だし」
「良かったわ」
秋子としては心配の種であった。相沢祐一は甥にあたり、秋子にとっては一人の息子とも言える。名雪の思い人でもあったのだが、以前彼女が出来てだいぶ落ち込んでいたが、今ではだいぶ吹っ切れたのだろう。それが良かったのか、名雪は段々と綺麗さが増してきている。
「今頃、祐一くんもお祝いしてるのかな?」
「そうじゃないらしいよ。一緒に遊ぶって約束らしいし」
「え?」
あゆの言葉に真琴は首を傾げる。それってデートでは無いのだろうか、と。だが、名雪は笑いながら言い切った。
「ほら、あの二人だから。一緒が良いってことで祐一も最初は考えてたけど、三人で共にって。昨日はほら居なかったわけだし」
「そっか。祐一くんも大変だね」
「ふん、丁度いいくらいなの」
真琴の小さな悪態に秋子さんは微笑みを浮かべてる。何時ものことだから。なんだかんだで祐一は慕われ好かれてる。だが、本人は選んだのだ。もう好きな人を。それ以上を選びはしない。今日くらいは楽しんできたらと送り出した。娘たちが祐一に色々とプレゼント貰ったのだし、彼女にも渡さないといけないだろう。初めての恋人たちのクリスマスなのだから。
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