「荒神、討伐部隊、デュアルエッジ、到着しました」
「やっと着たか」
黒いコートの男は一息ついた。今までなんとか守ってこれた。しかし、荒神の脅威が部隊のほとんどを全滅近くまで追い込んだ。そこで、対荒神部隊を一つでも良いので送ってくれないかと頼んだら二つ返事できたのだ。街の者たちは無事であったが、塀の中だけである。外に居た者たちは死に物狂いで逃げた。今この支部は人でごった返してる。少しでも居住区を取り戻さねばならない。
「初めまして、早速で悪いのだが」
「初めまして、話は聞いてますので、先に居住区のほうに行きます。宜しいですか?」
「お願いします。今、闘える者が居ないのです。医療とスタッフはいくらでも使ってください」
「ありがとうございます。こちらも準備してますが、最悪はないように努力します」
最悪とは並んだデュアルエッジの面々の全滅だ。そんなことは無いといえない。最近の荒神の脅威の強さは洒落になってない。それが報告にあがっていたからだ。種族が違うからと思ったら、全く別の種族と合体でもしたかのようなものも存在してる。他の地域も似たようなものである。
「行くぞ。しばらくはご厄介になる場所だ。殲滅するぞ」
「了解」
とある支部に送られた部隊。デュアルエッジ。二対の刃を持って闘う様を模してるが、それぞれが持つ武器は一つであったりするのだから、正しくそうであるというわけではない。が、隊長である者だけは違う。盾を持たず、剣を二つ携える。ショートソードを二つ携え歩いていく。二対の刃でもって敵を殲滅するのだ。その背中を支部長らが頼もしく写り見送る。デュアルエッジという部隊は戦場を渡る鳥みたいな部隊である。そして、対荒神最強の部隊でもある。
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