「舞、佐祐理さん、天野、悪い待たせた」
「いえ、待っていませんよ。それに、名雪さんが居るなら仕方ありません」
寝坊というのを考えての時間を振ったのだが、それさえも超えてこその水瀬家の眠り姫名雪。とまぁ、朝が壊滅的に弱い名雪なので起こすのとかを考えて元旦昼過ぎに神社に直接集合ということになった。
「香里と栞、北川は?」
「先にいらしてます。ただ、北川さんがお酒を飲んでまして」
「うわぁ、バカだなぁ」
受験生なのに飲むなって事だ。逆に言えばお酒は飲んでも飲まれるなって事なのだが。厳しいという事ではないだろうが、香里と栞の二人でお酒を抜いてあげてるか、吐かせてるかのどちらかであろう。
「私服なんですね」
「和服は流石に時間がかかるしな。名雪と真琴もそうだし。秋子さんもだからな」
「なるほど。お時間がかかりますからね」
「そういう天野と佐祐理さんは着てるんだな」
「あはは~、舞にも着せようって考えてたんですけど、舞が私服で良いって。佐祐理はこれがお母様ので着てると嬉しいですから」
「私はいつもので十分」
「私は両親ともども着てって言うので」
悪いことじゃないとは思うし、似合うのでいいだろう。
「おまたせ」
「祐一さん、お待たせしました」
「うぇうげ」
香里、栞、北川と着た。なんだか最後は顔が青いが。
「じゃ、お参りでもしますかね。今回は受験合格祈願って事で」
「前は健康祈願でしたよね」
「受験生だからな」
それぞれに願いはあるだろうけど、俺は受験を無事に乗り越えて合格を祈願する。それに、こうやって皆で会えるのは嬉しいことだし。これからも皆と会えたらいいなとは思う。難しいが、たまにちょっと会って話せる。それはとても魅力的に思えるから。来年も皆で会えますように。
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