「ユーリ、悪いのだけど、ちょっと付き合ってもらえる?」
「ああ。良いぜ」
「じゃあ、街の外に出ましょう」
「そうだな」
ユーリとジュディスが外に出るのは多い。ユーリにしても、ジュディスにしてもどちらかが誘って、どちらかが誘ってそれに応じてる。勿論、二人とも街についてからだし、テント張り終えてご飯食べてからなのだが、どこか楽しげに出て行く様子に男性陣、女性陣ともに不思議に思ってるのだ。わだかまりもとけて、それぞれに武器の新調とか、装備を揃えてとかの段階。流石に世界中を回ってるので足りない素材集めだ。モンスターブックの役立ちだ。
「ねぇ、ユーリ」
「ん、なんだ。カロル」
「どこかに行くの?」
カロルの言葉に外に行くだけだし大丈夫と答える。そして、ユーリは扉の外で待ってるジュディスに声をかけて歩いていく。親密にも見えるように感じるその様子にレイブンはちょっと小うるさかった。ユーリとジュディスの二人が出て行ってしばらくして、エステルとリタの二人が来た。
「様子がおかしいというのではないのですけど、気になりません?」
「そうだね。追いかけてみようか?」
「そうね」
それぞれ追いかけることには賛成のようだ。
「あっ、ユーリ、痛いわ」
「といいつつ、喜んでるんじゃないのか?」
「つぅ」
「はっ」
つややかでありながら、どきっとする声が漏れてくる。ジュディスの声に熱っぽさもあるかのようだ。そして、ユーリもどこか熱っぽい感じも受ける。それこそ、男女の何かのようだ。
「ジュディスちゃん!!」
「ユーリ!! 外でなんて」
それぞれの暴走二人やらリタとカロルが現れる。だが、ユーリとジュディスは落ち着いた様子だ。なんせ二人とも武器を構えてる。ユーリとジュディス以外が何をしてるのという様子で固まる。
「何してるんだよ。こんなところに着て」
「いえ、そのお二人の様子が気になって」
「大丈夫よ。普段二軍で身体がなまるのと、運動不足解消のために手伝ってもらってるだけだもの」
「まぁ、俺も新技開発とかになるし、ちょっとした空中技とか教えてもらったし」
「私も地上戦のコンボ訓練になったわ」
二人の様子に二人以外がため息をつく。まさか男女の仲とかになってたらと想像したのだ。勿論、ユーリとジュディスなら話してくれるかもしれないが。ただ、爆弾発言を残すのは二人なのだが。空気を読めるのでギャグももって行きやすいのだ。
「ユーリを襲おうなんて、少ししか思ってないわよ」
「おいおい、それをいうなら俺が襲う側だろうが」
「あら、襲ってくれるのかしら?」
全員が固まる中、ユーリとジュディスは汗をかいたから流してくる~と歩いていった。その背中を見送りつつ、全員が慌てたのは言うまでも無いことだ。
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