「舞」
「祐一、こっち」
病院の前で祐一と舞は待ち合わせしていた。今日は二人にとって大切な友人の退院の日だ。怪我酷かったので病室で試験も受けてた。倉田家の大きさが分かる。舞としても大学は行くということで受けていた。そして、今日は2月の末。その後卒業式も控えてる。
「待たせたか?」
「大丈夫。それより佐祐理のところに行こう。荷物も持ってあげないと」
「そうだな」
あまり会えなかった祐一だった。祐一にとってしてみれば、あの時入院前に会って以来あってない。佐祐理が連れてこないで欲しいと頼んだのだとか。祐一としてもその願いを聞き入れたに過ぎない。
「失礼します」
ドアをノックして中に入ると私服で何時もの佐祐理が居た。
「いらっしゃい、舞、祐一さん」
「佐祐理、退院おめでとう」
「おめでとうございます。荷物持ちますよ」
「あはは~、ありがとうございます。ちょっと荷物が多くてどうしようか考えてたんですよ」
お見舞いの品とか、色々と多いのだ。舞と祐一は、荷物を受け取る。
「卒業式に間に合ってよかった」
「はぇ?」
「だって、花束二人に渡したいじゃないですか」
「あはは~、祐一さんってば、舞だけじゃないんですか?」
「そんなことないですよ」
祐一も笑顔で二人に渡すためって事で花束を買ってる。受け取りは卒業式当日の朝である。他の在校生も大概そういうものである。舞はその様子を知ってる。退院の花束を買ってるときに祐一が頼んでいたからだ。見ないふりしてたりするのだ。そして、三人は荷物を両手に持って病院を後にした。卒業式に間に合うことに佐祐理は素直に喜んでる。舞と共に卒業できるのだから。
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久しぶりにこちらに来てみてTOPが変わってないと思ったらまさかの日記更新とは、しかもSSもあるとは・・・、全く気づかなかったです
まだ、ミニSSを読んでないので楽しく読ませていただきますw