「佐祐理、誕生日おめでとう」
「おめでとうございます、佐祐理さん」
舞と俺とで佐祐理さんのバースデーを祝おうと思ったは良いんだけど、佐祐理さんは予定があって、土曜日にした。日付がずれてしまったことに関して謝るかどうか考えてたんだけど。
「舞、祐一さん、ありがとうございます」
「佐祐理の家のほうでパーティはしてたと思うけど」
「あはは~、でも、こうやって二人にお祝いされるほうで嬉しいですよ~」
佐祐理さんは笑顔でそう言ってくれる。それが俺や舞にとって気遣いかもしれないけど、嬉しい限りだ。
「それに、誕生日プレゼントまで」
「俺と舞からってことになるけど」
「うん。祐一のセンスじゃあ困るだろうし、私じゃあ、ちょっと足りなかったから」
お金がというのがある。そこで俺と舞とで二人で買おうという事になったのだ。色々と紆余曲折を経てだけど。流石に佐祐理さんに変なものを渡すわけにもいかないし、舞もそのあたりを考慮してだけど。それで二人で一つのプレゼントってことにしたのだ。舞のプレゼントも二人で一つにしたし、まぁ、俺はリボンくらいしか後は渡せないわけだけど。
「あ、佐祐理さん、こちらもどうぞ」
「祐一、やっぱり買ってたんだ」
「駄目だったか?」
「ううん。ただ、祐一だったら他にも買ってそうって思っただけ」
リボンを差し出すと佐祐理さんは苦笑い。俺のプレゼントってこのくらいだし、変なのよりマシだと思うのだけど。
「ありがとうございます。でも、青いリボンって祐一さんが?」
「何か自分でもって思っただけだよ。舞と俺の混合のは、舞がほとんど持ってくれたわけですし」
「そういうことらしいんだけど」
舞は納得いってないらしいが、誕生日に喧嘩をするわけじゃないのでお互いに小さく笑う。
「あはは~、祐一さん、ありがとうございます。舞もありがとう」
「いえいえ」
「いいの。それに、佐祐理の誕生日は大事だから」
「あはは~。それじゃあ、舞も祐一さんも誕生日の時は佐祐理にとっても大事ですよ」
皆笑顔で答える。三人の友情がこれからもずっと続いていくだろう。何があっても三人で進んでいける気がした。俺だって二人の誕生日も大事だから。こう思える限り、ちょっと離れてもまた集まれるから。こうやって三人で。
PR