「たま姉」
「たか坊、大丈夫?」
「大丈夫」
アイテムを使って、環は回復し、周囲を見渡す。敵たちは居ない。簡単な探索なので人数を一人としたのだ。部屋の片付けを頼んだというのもある。皆が使ってる場所などの掃除である。メイドロボである、シルファ、イルファ、はるみの三人が居たら、綺麗なものだが。
「中々目的のものが出ないわね」
「トレジャーハンターのほうが良かったのかなぁ」
「そうかもしれないわね。でも、倒すのに時間がかかるでしょ?」
「そうなんだよね。だから、たま姉に頼んだのだけど」
全体攻撃があるか無いかによって変わってくるのだ。勿論、それを言った所でどうしようもないのだが。ただ、この時二人はあることを忘れていた。緊急脱出口を忘れてるという事に。
「とりあえず、そんな強敵は居ないのだし、ざくざく倒しましょ。手持ちのアイテムはまだ大丈夫なわけだし」
「分かったよ」
周囲の雑魚に負けることは無いだろう。貴明もそれは分かってる。が、敵の数が多ければ環が攻撃を喰らう数が増えていくのだ。避けるときもあるが、多勢に無勢ではって事だ。
「大丈夫よ。たまお姉ちゃんに任せなさい」
「うん。頼りにしてるよ。とりあえず進もう」
魔物探ししながら二人はダンジョンを進むのだった。ただ、時間がかかったのは言うまでも無いことだった。
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