「ユーリ、これは要るかな?」
「要らないだろう。使ってないものだし」
カロルとユーリはそれぞれの防具を売却するために整理をしている最中だ。本来ならレイブンも居るはずなのだが、どこかへと用事といって逃げた。女性陣のほうへと向かったのはユーリとカロルは知ってる。女性陣は防具の買い物である。だいぶくたびれてきたのと、闘う敵が強くなってるのを考えての結果だ。
「こっちは?」
「アクセサリーはおいておけ。何時何で使うかわかんね~から」
「分かった」
二人はてきぱきと片付けたり出したりしていく。というより、小さな道具袋なはずなのに何故に此処まで入るか色々と聞いておきたい気がするが、二人は気にしない。何よりカロルのバックなんかはみんなの道具も入ってるのにだ。どこから出てきた、許容量オーバーだろうとか突っ込みたい部分は多々あるのだが。
「ジュディスとか大丈夫かな?」
「ま、荷物もちが居るし大丈夫だろう。じゃあ、これくらいだな」
「うん。わ、軽くなった」
「だな」
お互い荷物が軽くなったことを喜びつつすぐさまそこから立ち上がる。
「しかし、カロルが道具整理手伝ってっていったときは驚いたけどな」
「防具のってつけるの忘れちゃってた」
「武器まで売られるかと」
「確かにお金は必要だけど、大丈夫だよ。皆がそれぞれに出してくれたし」
「そか」
小さなギルドだが、小さいながらもしっかりと仕事をこなしてる上に、色々なところで顔なじみがあるからだ。小さな事からコツコツとで知ってる人が増えてるのだ。
「おじさん、これを売りたいのだけど」
「お、カロルじゃないか」
商人に顔なじみも増えた。いろいろな街で色々なものを買ったりしたからこそだ。ユーリはそれを聞きながらアイテムを見る。ライフボトルや回復系統はそれなりに準備しておいて損は無い。
「ユーリ終わったよ」
「こっちも、これくらいだな」
「だね」
回復アイテムなどを購入し今日の宿に戻る。一日休みを入れてまた移動だ。明日から歩いていくのだ。
「大丈夫だよね?」
空を見上げカロルは漏らす。絶対に大丈夫だと思う事が必要なのだ。そう、思いは力にかえられるのだから。
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