「ソーマ、どうかしたの?」
「カグヤか。どうかしたかって言うか、アリサとコータを探してるんだが」
「何か用事?」
「今日ほら、四人でパーティ組んで戦った数体のオーガテイルとヴァジュラについてな」
囮を買って出てくれたのはいいけど、流石にオーガテイル数匹でも数が合わさったり急な移動でヴァジュラや他のと遭遇したりしたら大変だったのだ。ちなみに、救難信号というか、救難の連絡を受けてそれぞれがばらばらに動いたのは言うまでも無い。アリサとコータはちょっとした治療のため医務室のはずだけど。
「医務室に居なかったの?」
「ああ。怪我の治療を終えたらお前を探してるって」
「私? あって無いけど。報告しておかないといけないわけだし」
「そうだよな。ってことはあいつらどこで油売ってるんだ?」
「誰が油売ってるって。失礼な」
後ろから声が聞こえて二人して振り返る。アリサとコータの二人が飲み物を持ってきてくれたのだ。
「ソーマが来なかったらこっちもやばかったからな。ほい」
「そういうことか」
「待っててっていっておけば良かったのに」
ソーマはコータから、私はアリサから渡される。おごるって事なのだろうけど。
「ソーマはそれでも良いけど、カグヤってば報告やらなんやらで居ないから」
「ごめんなさい。先に面倒ごとは片付けたいのよ。シャワー浴びてベットで寝たいかなぁって」
「そういえば、カグヤって戦闘の後は何も食べずに寝るけど、どうして?」
コータに聞かれて、考える。確かに食べてないわね。
「あれだけ斬った撃ったしてると、食欲がなくなっていくのよね。大丈夫よ、ちゃんと起きたら食べるし」
「そうなんだ。って聞いたような気がするなぁ」
「最初の頃に皆に言った気がするんだけどね。アリサ覚えてる?」
「ええ。まぁ、コータはちょっと聞いてたり聞いてなかったりが激しいから」
「そうね。アリサ、ごちそうさま。それじゃあ、明日もよろしくね。皆」
「おぅ」「ええ」「ああ」
それぞれが分かれる。シャワー浴びたりなんなりだ。眠るのも自由である。アナグラに一時の静かなとき。私の好きな時間かな。静かってことはゆったりだから。
「おやすみ」
両親の仇は討てた。でも、世界は回り続けてるし、それだけでほっとなんてしてられない。この世界で生きていくのだから。生き残った人たちで。
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