日記のため、ホムペに設置
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「お姉ちゃん、どうかしたの?」
「ん、どうかって何で? なのは」
「なんだか、泣いてるように見えたから」
「そうかな?」
庭でぼぅっと立ってた美由希。その後姿がなのはには泣いてるように見えた。
「違ったならごめんなさい」
「謝らなくても良いの。なんていうか、ほら、恭ちゃんがフィアッセと付き合い始めたでしょ」
「うん」
「それで色々と思う事があったんだよ」
「そうなんだ」
「忍さんも那美さんもあると思うよ」
美由希の言葉になのはは何も言わず、そのまま頷いた。結局何がどうなのか当人にしか分からないから。なのはとしてはどういうことか聴いても理解できない部分があるから。
「あまり外に出てても薄着じゃあ風邪を引いちゃうよ。私も中に入るし」
「うん」
素直な妹に美由希は笑みを浮かべる。なのはもいつかこの思いを味わうときが来るかもしれない。それでも、自分の初恋と思いはしばらく忘れないだろう。
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「そういえば、少し聴きたいことやねんけど」
「どうかしたの?」
「なのはちゃんとヴィータの戦いって、最後どうやったん?」
「中途半端で終わってるよ、はやて」
はやて、なのは、ヴィータ三人が集まってお茶を飲んでいた。といっても、アースラのお茶を買うところでだ。
「なんやヴィータはあまり話したくなさそうやし」
「まぁなぁ」
あの会話がまさかこれほどの影響力が出てくるとは考えてなかったが正しいのだ。まさか、『悪魔め』と言って、返した言葉により、それが周囲に広がり、管理局の白い悪魔という二つ名が出てるのだ。
「た、楽しい話じゃによ。うん」
「そうなんや。気になってたんやけど。エイミィさんに見せてもらおうっと」
そして、はやては知る。なのはの二つ名の意味を。そして、はやては知り合いに話してしまった。そこから話が更に加速していくのだった。色々尾ひれ背びれ胸鰭とつきながら。
「なのは、どうかしたのか?」
「あ、お兄ちゃん。あそこ」
木の枝のところに小さな猫。み~み~と鳴いている。なのははたまたま見つけたのだろう。恭也としてもどうしたいのかが分からず小首をかしげる。
「下りられないんじゃないかなぁって」
「ああ。なるほど」
恭也はそのまま手を伸ばすと、小さく声をかけた。おいで、と。
恭也の手の平に乗ってそのまま下ろされると、恭也の手を舐めて、走っていった。なのはは残念そうだが、自然では当たり前のことなのだ。
「触れるかなぁって思ったんだけど」
「仕方あるまい。それより買い物の途中じゃなかったのか。なのはを呼びに来たんだが」
「あ~」
なのはは慌てて荷物を拾い上げると走っていった。恭也はそれを見送りつつ、先ほどの猫を思い出していた。不思議な感じがした。今まで会った事があるような、それで居て無いような感じ。
「何も起こらなければ良いが」
それが始まり。いや、それがきっかけ。知られざる物語が幕を開ける。猫と青年の話が。
つづきませんよ。多分
「名雪、大丈夫?」
「ん? 何が?」
「相沢くんのことよ」
「……大丈夫だよ。新しい家族も出来たしね」
相沢祐一は七年前の思い出を忘れて此処に来た。雪を見るのがとても嫌そうだった。でも、それを克服した。勿論、そのことや過去の思い出も全て思い出して、彼女を作り、彼女を助けつつも自分の過去も克服して謝っていたりする。名雪にしても、過去雪ウサギを叩き落したという事がある。名雪本人はタイミングが悪かったと漏らしていたけど。相沢くんとしては色々と思う事があるのだろう。彼女本人もそんな優しい相沢君を見るのが好きなのだそうだ。愛されてるなぁとちょっとからかったところ、相沢君本人も愛してるから丁度良いって言ってた。
「でも」
「それにね、私もだけど、あゆちゃんも、真琴も祐一に振られたんだよ。一緒に住んでるからこそ遠かったんだなぁって」
「名雪」
「タイミングもあるだろうけどね。恋愛必勝法なんて分からないし」
「そうね」
可愛いし、綺麗なのに勿体無いと思う。確かに相沢君の彼女も綺麗だ。正直、相沢君のほうがつりあい取れてない気がしないでもない。本人もそのことに関しては苦笑いで言ってた。つりあい取れるくらいに頑張らないとって。
「それに祐一が選んだ人だしね。最初聞いたときは驚いたけど、でも、私たちの前で紹介したとき、似合ってるって思ったし。負けたって思ったから」
「そうなの?」
「なんていうのかな。七年の思いとか、そういうの抜きにして今現在を考えたら、あれでよかったと思うんだよ」
「そう」
「だから、香里は気にしなくて良いんだよ。それに、栞ちゃんもでしょ?」
「ええ。相沢くんの事、本当に大切なのね。しっかりと現実を見据えてるわ。ちょっと驚いたわ」
「ドラマの影響受けすぎてるから?」
「そうね。でも、意外とちゃっかりとしてるわ」
「祐一とたまに会ってるもんね。彼女公認らしいけど」
それは知らなかった。相沢くんがどう言うのか分からないけど、ちゃんと話は通してあってるのだろう。そうじゃないと何かと問題が起こったときに怒られ続けることになるからか。
「しばらくは相沢くんの熱い話でも聴いて、茶のみ話に出来たら良いのだけどね」
「聴いておくよ。意外と惚気るよ」
「そうなの?」
「うん。一度聴いたとき、ちょっと驚いた」
「それは楽しみね」
そう。これからを楽しみにしよう。私たちはこれからを得たのだから。奇跡もあっただろう。だが、それだけじゃなく、日常がそれらの積み重ねなのだから。
「フェイトちゃん!! 待って!!」
「なのは、もう良いんだよ」
「でも、どうして! 何で!?」
「犯罪者になりたくないから。だから、ごめんね」
「生きてて欲しい。ヴィヴィオだって、そう願うよ!!」
「ごめんね。でも、もうこうするしか方法は無いの」
「そんなの性急すぎるよ!!」
「ごめん。誰かが此処で食い止めないといけないことだから」
「フェイトちゃん!!」
「なのは、ヴィヴィオによろしく伝えておいて。それと、エリオとキャロにもはやてにもお願いね」
「フェイト、ちゃん」
間に合ったなのははフェイトがどれほど辛いか分かっていた。魔力を吸い取るロストロギア。だが、それは周囲を無差別に吸い取る悪魔のようなものだった。吸った魔力を貯蔵し、それを爆発へと変える。それの解除は一つ。人身御供。一人の命で魔力の爆発が止められる。だが、その止める人はAAAランク以上の魔導師でなければならなかった。
「間に合わないって分かったから。なのは、ごめんね」
「分かったよ」
「それじゃあ、ばいばい」
「あ」
フェイトは自分の意識が黒く塗りつぶされていくのに気づいた。
『フェイト、貴方はこの道具を間違って知ってます。これは、願望機というものです。正式名称は<クロノス>。貴方には選択肢が与えられます。生まれも何も関係ない、貴方を必要としてる世界に送りましょう』
その声は優しい。フェイトは驚いた。何故声が、と。なのはに伝えたい。だが、出来ない。
『貴方と周囲から奪った魔力を元に、貴方を違う異世界に飛ばします。でわ、さようなら。良い旅を。運命の子よ』
その言葉が途切れると共に、フェイトは急なことに驚いていた。此処がどこか分からない。
「此処は? バルディッシュ」
答えは無い。杖が無くなってることに気づいた。握っていた手の平は空で、寂しさすらもある。
「何処なんだろう?」
フェイトは周囲を見て、自分の服装も見る。そして、身体が小さくなってることに気づいた。自分が誰か分からない。がさっと音がしてフェイトは音の方向を見る。
「目が覚めたのですね。大丈夫ですか? 倒れてたのを此処に連れてきました」
「あり、がとう。あの、貴方は?」
「名前だけで悪いが恭也だ」
「恭也さん?」
「ほとんど同い年だと思うが。街まで、送るが」
「り、両親は、居ません」
「親戚は?」
「分かりません。知り合いも」
「むぅ」
困った顔をしてる恭也にフェイトも少し困った顔をしている。そして、二人の間にひとりの男性が来た。
「恭也、起きたか?」
「ああ。こちらは」
「フェイトです」
「士郎っていうんだ。しかし、可愛い子だな。恭也、大事にするんだぞ」
「って、父さん、まさか!」
「ああ。俺は仕事だ。フェイトちゃん、悪いが、しばらくこの子と此処に居てくれ。悪いようにはしないから」
「はぁ」
「恭也はそこそこに聞き分けも良いから、不自由な事があったらいうと良い。恭也、頼んだ」
「はいはい。それより、帰らないといけないんだからな」
「分かってる」
そして、士郎は離れていった。フェイトは首を傾げてる。そして、その出会いは色々な波紋を呼び起こすことになるのだった。