日記のため、ホムペに設置
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「レイブン」
「どうした、青年?」
「頼みがあるんだ」
「ん? 青年が? 珍しい」
「『愛してるぜ』、使わなくて良いから」
回復をかねた補助要らないって言われて少し呆然とするレイブン。ユーリはしっかりとレイブンを見ている。うそではないと分かる。
「おっさん、必要なし?」
「いや、何時も補助ばっかしてるだろうから、頑張って動いてくれって事なんだが」
「いや、ああやって固定砲台でのんびりと回復してるのって意外と楽なのだけど」
「ぶっちゃけ敵が大変なので、動いて倒すの手伝えって事だよ。おっさん。エステルを助けるためにな」
ユーリの言葉に面々は頷く。戦闘でそれぞれが大なり小なり怪我は追う。だが、それ以上に早くに倒さねばもっと危ないのだ。超攻撃型の陣形だとレイブン、カロルの居ない、ユーリ、ラピード、ジュディス、リタという殲滅である。さぁ、皆で行こう。エステルを助けに
こんな会話があっても良いかなぁと。いや、自分は何気にレイブン居なくても何とかしましたけど。料理と回復アイテムでいっちゃったんだよなぁ(笑
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「黒子っち」
「黄瀬くん、どうかしましたか?」
声をかけてきた黄瀬に対して、黒子は冷静に切り返す。
「何を運んでるんすか?」
「黄瀬くんが出し忘れていたボール籠ですけど」
「すみませんっす」
こういうちょっとした漫談みたいなのが見られるようになった。
「あ、テツくん」
「はい?」
桃井に声をかけられて、黒子は振り返る。桃井はバスケ部のマネージャーだし、黒子に気がある人物だ。黒子が全く気づいてないのか気づいてるのか誰もが首を傾げるところだが。
「これ、この前借りたタオル。ありがとう」
「いえ。でも、大丈夫でしたか? 激しかったですし」
「う、うん。ちょっとびっくりしちゃったね。大きかったし」
「いきなりでしたしね」
「そうだね。今度からは気をつけるよ。本当にありがとう」
二人の会話はどこかとんちがかかってるようで皆が皆、首を傾げつつも興味を持ってしまった。思春期真っ只中の面々。
「黒子っち。桃っちと何かあったんすか?」
「雨が降ってきたんで、傘を忘れた桃井さんにタオルを貸しただけです」
「え、それだけ?」
「はい」
黒子は言葉を選んだ様子もなくさらっとこたえて黄瀬から離れていく。と、そこに黒峰が現れてにやにやと笑ってる。
「実際は違うんだけどな」
「そうなんすか?」
「その雨の時、相合傘して帰ってたらしいぞ」
「そうらしい」
緑間も加わった。
「え、じゃあ」
「そうなのだよ。あの二人、ぷちデートみたいなものだったらしい」
「見てないから分からないけど、あれは何かあったな」
それぞれが黒子と桃井を見る。桃井は黒子を視界に入れつつちょっと嬉しそうに動いてるし、黒子にしても普段よりよく消えてる。さすがの影の薄さである。そんなみんなの色々な考えが混じった日常。
ちなみに普通に相合傘でも肩は濡れるし、激しく降れば尚更である。
「ねぇ、青年」
「なんだ、おっさん」
レイブンは目の前にある料理を見て、ユーリに言葉をかける。それを聞きながらも目の前の食べ物を口に運ぶユーリ。その手に迷いも戸惑いも無い。そのまま口にパクパクと運んでいる。
「なんで今回の料理もフルーツパフェなのかしら?」
すでに十数回は同じ料理である。戦闘後にそれぞれ料理を作る。ただ、今回料理当番はユーリであった。本日というわけじゃないが、他の面々も少し困った顔をしている。
「体力回復はエステルとおっさんがしてくれるけど、使った精神的な力は甘い物に限るしな」
笑顔で言い切るユーリにレイブンは周りを見る。戦闘に出る面々は色々だが、ユーリは絶対に出ている。本人が闘いたいというのもあるが。
「でも、十数回も同じ料理はどうかと」
「まぁ、分からないでもないけど、とりあえず皆がダメージ喰らって回復役の二人が肩で息してる場所だしな。ダイエットやら他もろもろの事情は分からないでもないけど、とりあえず戦闘が楽になるまではこのままだな」
リタは確かにと頷く。
「此処の敵はちょっと厄介だし、このまましばらくして敵が変わらないようなら一端引くか何かするんでしょう?」
「ああ、その予定だ。というわけで、次あたりで決めないと食材も心元ないしな」
「分かりました。私たちは無理に進んでは危険だって事ですね」
「そういうことだね」
ユーリは頷いてカロルを見る。カロルも頷いてる。カロル、リタはなんだかんだで甘いのが好きなのでパフェをさくっと食べきる。次の戦闘の準備だ。危険を承知では進んでるが無理しては駄目だろう。待たせたら良いのだ。空でぷかぷか浮いてるものには。
「リタ」
「どうかしたの、エステル」
慌ててくるエステルにリタは目を開いて驚く。冷静にと心に入れて聞くリタに呼吸の乱れを直す。
「ゆ、ユーリが」
「ユーリが?」
「私のベットで寝てるんです。隣にジュディスも一緒で」
その言葉に少し思考を停止させるリタ。早くに復帰できたのは幸いだろう。まさか女性部屋に男であるユーリが入ってるとは。しかも、同衾。しかしリタはどうしたものかと考える。一応男女のそれは知ってる。知っては居るがって所だ。
「とりあえずどちらか起こして事情を聞かないと」
「あの」
「ま、もう寝るから一緒にいきましょう」
このあと二人が全く起きず、二人が寝てるのを諦めて、リタとエステルも寝るのだった。ただ翌日、事情を聞いた二人はさらに驚くことになる。ジュディスが眠ってしまったためにユーリが寝かせたが、服を掴んでいたためにそのまま横になったということだった。
「そういえば、エステルは何してたんだ?」
「私はその本を読んでいたら、遅くなってました」
エステルとリタは読書していて遅くなったのだ。
「ま、俺らも普通に酒飲んで寝てしまっただけよ」
ジュディスはそう答えた。ユーリも頷いいた。そして、それぞれがそのことを忘れた頃、ユーリが今度はエステルの隣で寝ている姿が見られるtのだった。それはまた違うお話。
「ユーリ」
「シャスティル、どうかしたのか?」
「ちょっと、こっちに着なさい」
「ん?」
首を傾げるユーリを連れて行くのは本来はフレンの教育係のシャスティル。ヒスカはフレンと話してるので、まぁ良いかとユーリも歩いていく。本来なら断りを入れたりして離れるものだが。このあたり気にしないのがユーリだ。
「よくヒスカと剣の稽古してるみたいだけど、ヒスカは自分の方がって気にしてるのよ」
「わざと負けろってか。俺、そこまで器用じゃね~よ」
シャスティルはそれを聞いて、それもそうだと結論付ける。
「第一、俺は魔法とかあまり、な」
魔法の才能が無いとかもあるが、ユーリは座学が苦手だ。よく寝ちゃうし、そのたびにヒスカから叱られてる。本人にとっては気にしないレベルだろうが。だから、魔法はあまり特異じゃないのも分かる。
「なるほど。分かったわ。ヒスカに関しては私が何とかするわ」
「わりぃ」
その言い方はどこか隊長と似ていた。勿論、言葉だけ。シャスティルはそういえばと思い出す。
「ユーリ、今度私がユーリを、シャスティルがフレンを見るって分けてみるかも」
「いいんじゃね~か。別に俺は困らないし」
「そ。それならいいわ」
シャスティルとしてはだが、ヒスカが少しでも気休めになればというのもある。
「それに、俺たちに拒否権無いだろ」
「それもそうね。隊長に話してからだけど、秘密にしておいてね」
「分かった」
そして、これは実行されることとなるのだが、ヒスカは結局、どちらの教官でも落ち込んだという。