日記のため、ホムペに設置
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「先輩」
「あれ、どうしてここに?」
伽藍の堂は普通の人などが来れない、着難いようになっている。人払いの結界とかなんらかの事を所長から聞いている。それなのに、此処に来るという事は正式なお客さんという事なのかな。
「父に此処に来るようにって言われたんです。その、色々ありまして」
「身体はもう大丈夫?」
「はい。大丈夫です。あの式さんは?」
「式なら、今はお出かけ中だよ。仕事頼まれたみたいだし」
「そうですか」
藤乃ちゃんは小さく笑う。無痛症が治ったわけでは無いらしいのだけど。
「あ、お茶出すね。しばらく待ってれば燈子さんも帰ってくるだろうし」
「手伝いますよ」
「大丈夫だよ。コーヒーで良いかな?」
「はい。じゃあ、座ってますね」
ソファに座ってもらって自身のも入れる。待ってる間に休憩させてもらおう。どうせ、厄介ごとなのだろうから。
「先輩一度お部屋に泊めてもらってありがとうございます。あの時お礼も言えず」
「いや、構わないよ。でも、よく気がついたね。僕が先輩だって」
「入院してる間に思いだしたんです。お世話になりました」
「いえいえ」
こうやってのんびりと会話できるのは悪く無い。いろいろとあったから。
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「舞、佐祐理さん、天野、悪い待たせた」
「いえ、待っていませんよ。それに、名雪さんが居るなら仕方ありません」
寝坊というのを考えての時間を振ったのだが、それさえも超えてこその水瀬家の眠り姫名雪。とまぁ、朝が壊滅的に弱い名雪なので起こすのとかを考えて元旦昼過ぎに神社に直接集合ということになった。
「香里と栞、北川は?」
「先にいらしてます。ただ、北川さんがお酒を飲んでまして」
「うわぁ、バカだなぁ」
受験生なのに飲むなって事だ。逆に言えばお酒は飲んでも飲まれるなって事なのだが。厳しいという事ではないだろうが、香里と栞の二人でお酒を抜いてあげてるか、吐かせてるかのどちらかであろう。
「私服なんですね」
「和服は流石に時間がかかるしな。名雪と真琴もそうだし。秋子さんもだからな」
「なるほど。お時間がかかりますからね」
「そういう天野と佐祐理さんは着てるんだな」
「あはは~、舞にも着せようって考えてたんですけど、舞が私服で良いって。佐祐理はこれがお母様ので着てると嬉しいですから」
「私はいつもので十分」
「私は両親ともども着てって言うので」
悪いことじゃないとは思うし、似合うのでいいだろう。
「おまたせ」
「祐一さん、お待たせしました」
「うぇうげ」
香里、栞、北川と着た。なんだか最後は顔が青いが。
「じゃ、お参りでもしますかね。今回は受験合格祈願って事で」
「前は健康祈願でしたよね」
「受験生だからな」
それぞれに願いはあるだろうけど、俺は受験を無事に乗り越えて合格を祈願する。それに、こうやって皆で会えるのは嬉しいことだし。これからも皆と会えたらいいなとは思う。難しいが、たまにちょっと会って話せる。それはとても魅力的に思えるから。来年も皆で会えますように。
「かなでさん、よく外から着ますよね。陽菜も」
「そうだけど、問題あるの?」
「いや、もう秋も更けてきて冬も近いのに寒く無いのかなぁって」
「あはは、孝平は心配してくれてるの?」
「ええ」
お茶会ということで二人とも来るのだけど、白ちゃんと副会長の二人は扉から来るし、紅瀬さんもそうだし。寒くないのかなぁっていうのと風邪を引かないと良いけどと思うのだ。かなでさんは大丈夫なように見えるけど、それでもだ。
「風邪を引いたりしたら心配じゃないですか。かなでさんが風邪を引いたら陽菜も心配するだろうし」
「それもそっか」
納得したらしい。まぁ、今度からこちらに来るときはちゃんと扉から来てくれるだろう。実際窓を開けるのは冷えるからあまり良くないかなぁという考えからなのだけど。換気はするけどって事。
「そういえば、他の面々は?」
「司はもうすぐじゃないかな? 副会長は今日は遠慮するって言ってた。紅瀬さんと白ちゃんは一緒に来るそうだけど」
「そう。じゃあ、お茶の準備するね」
ドアがノックされて中に入ってもらう。何故か副会長も一緒だった。多分白ちゃんにお願いされたかなんかだな。紅瀬さんとの仲もあるていどマシになったとはいえ、もう少し仲良くというのが白ちゃんの望みだし。
「どうぞ」
「そういえば、こ~へ~は生徒会のほうは大丈夫なの?」
「ん、大丈夫だけど、なんで?」
「いや、意外と外を歩いてるの見てると仕事してないで歩いてるように見えるから」
何気に失礼だなぁ。あれはお使いというか頼まれたものを運んだりしてるだけなんだけど。
「あれは提出物とかを持っていってるのと途中で声をかけられて手伝ってるからですよ」
「へ~」
「支倉先輩そんなことしてたんですか?」
「通りで帰ってくるのが遅いわけね」
何故か生徒会の面々がこちらを見る。何か悪いことした覚えないのだけど、身が竦む。白ちゃんは東儀先輩が居るわけだし、残り二人はちょっとね。
「頼まれたら断りにくいし。まぁ、たいした用事頼まれてるわけでもないから」
「そうだったんだ」
「そういえば、この前は美術部のやつらで次は女子バスケットんで、ソフトボールにって結構女の子から声かけられてるよな。お前って」
「「ほほぅ」」
副会長とかなでさんの声が重なった。楽しそうな笑みを浮かべてるし。司余計なことを。いや、まぁ、その通りなんだけど。あれは確か備品チェックだったかな。あの提出遅れてるとか、そのあたりなのだけど。理解してくれないだろうなぁ。この後お茶会は普段の行いチェックへと移行したのだった。陽菜と白ちゃんの優しさには感謝だ。要約すれば『優しいから断りにくいんだよ』ということで落ち着いた。
「ユーリ、悪いのだけど、ちょっと付き合ってもらえる?」
「ああ。良いぜ」
「じゃあ、街の外に出ましょう」
「そうだな」
ユーリとジュディスが外に出るのは多い。ユーリにしても、ジュディスにしてもどちらかが誘って、どちらかが誘ってそれに応じてる。勿論、二人とも街についてからだし、テント張り終えてご飯食べてからなのだが、どこか楽しげに出て行く様子に男性陣、女性陣ともに不思議に思ってるのだ。わだかまりもとけて、それぞれに武器の新調とか、装備を揃えてとかの段階。流石に世界中を回ってるので足りない素材集めだ。モンスターブックの役立ちだ。
「ねぇ、ユーリ」
「ん、なんだ。カロル」
「どこかに行くの?」
カロルの言葉に外に行くだけだし大丈夫と答える。そして、ユーリは扉の外で待ってるジュディスに声をかけて歩いていく。親密にも見えるように感じるその様子にレイブンはちょっと小うるさかった。ユーリとジュディスの二人が出て行ってしばらくして、エステルとリタの二人が来た。
「様子がおかしいというのではないのですけど、気になりません?」
「そうだね。追いかけてみようか?」
「そうね」
それぞれ追いかけることには賛成のようだ。
「あっ、ユーリ、痛いわ」
「といいつつ、喜んでるんじゃないのか?」
「つぅ」
「はっ」
つややかでありながら、どきっとする声が漏れてくる。ジュディスの声に熱っぽさもあるかのようだ。そして、ユーリもどこか熱っぽい感じも受ける。それこそ、男女の何かのようだ。
「ジュディスちゃん!!」
「ユーリ!! 外でなんて」
それぞれの暴走二人やらリタとカロルが現れる。だが、ユーリとジュディスは落ち着いた様子だ。なんせ二人とも武器を構えてる。ユーリとジュディス以外が何をしてるのという様子で固まる。
「何してるんだよ。こんなところに着て」
「いえ、そのお二人の様子が気になって」
「大丈夫よ。普段二軍で身体がなまるのと、運動不足解消のために手伝ってもらってるだけだもの」
「まぁ、俺も新技開発とかになるし、ちょっとした空中技とか教えてもらったし」
「私も地上戦のコンボ訓練になったわ」
二人の様子に二人以外がため息をつく。まさか男女の仲とかになってたらと想像したのだ。勿論、ユーリとジュディスなら話してくれるかもしれないが。ただ、爆弾発言を残すのは二人なのだが。空気を読めるのでギャグももって行きやすいのだ。
「ユーリを襲おうなんて、少ししか思ってないわよ」
「おいおい、それをいうなら俺が襲う側だろうが」
「あら、襲ってくれるのかしら?」
全員が固まる中、ユーリとジュディスは汗をかいたから流してくる~と歩いていった。その背中を見送りつつ、全員が慌てたのは言うまでも無いことだ。
「エステル」
「はい?」
「あまり前に出ると危険だから、下がっててくれないか」
「え、ですが、ユーリとラピードにだけ任せるのは」
街、城から出た。そして、コア泥棒を探すのとフレンを追いかけるという行こうとする場所が似てるため途中まで一緒に行こうって事なのだが、ユーリとしてはエステルが前でガンガンに敵を切り裂いてるのを見ると少し思う事がある。それで怪我でもしようものなら後々フレンが怒り狂うことだろう。本人は自力で治せるっぽいのだが。それすらもちょっと問題があるように感じるのだ。
「ま、本当に危ないと思ったときは言うし、今の所、俺とラピードで事足りるし、その、ラピードにはアイテムを盗んでもらわないといけないから」
「あ! そうですね」
ラピードのアイテム強奪はユーリが考えたのだ。ラピードもそれに頷いてる。そのアイテムによってはグミやら食材が手に入る。色々と使うのでアイテム強奪が結構な稼ぎになる。それを言われてたのに倒してしまっては駄目だって事だ。
「ごめんなさい」
「謝らなくて良いぞ。次、気をつけたらいいから」
「すみません」
「良いから良いから。さ、行くか」
「はい」
もうすぐだ。もうすぐフレンにおいつけるはずである。ユーリとしても手がかりを求めて。下町をあんな風にした奴に容赦は必要ないだろう。森を抜けて、ハルルへ
盛大な物語の序盤だとこの時誰も予想してなかった。