日記のため、ホムペに設置
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「タマモちゃん」
冷凍装置から目覚めたときに私の世話というか、私の近くにはラニさんとタマモちゃんが居た。タマモちゃんは狐耳の小さな女の子だ。妖精とかに近い。私とは何らかの形で繋がってるらしい。
「楓さん、どうかしましたか?」
「病気が治ったのは嬉しいけど……」
自分のことを少し教えてくれた。過去病気の治療法法が確立されて、それを執刀できる人が居なかった。だけど、ラニはそれを踏まえて努力してくれて治療してくれた。そして、傍に居てくれてる。何でもとある場所、よく知らないけど私にお世話になったらしい。命を助けられたとか何とか。
「家族も知人も友達もこれから作れば良いのだろうけど、色々と変わったんだね」
とりあえず、目の前にあるものを見る。小型化された携帯と呼ばれる電話。メールやカメラと多数の機能がある。そういうのも私は遅れてるのだ。ラニという先生が居るおかげで色々と教えてもらってるし、タマモちゃんが家事などを手伝ってくれる。教えてもらってるときもあるのだけど、まだまだタマモちゃんのほうが上手だ。
「聞いてくだされば教えますよ。それに、リハビリもありますし」
「ありがとう」
こんなけ恵まれた環境は普通は無いだろう。私は幸運な部類だろう。ただ一つムーンセルに吸収された自分の別人格は最後幸せだったのだろうか。タマモちゃんは知ってるとのことだけど、聞いたら悪い気がするのだ。一度聞いたら秘密と笑顔で断られた。いつか聞けるほど心が強くなったと思ったら聞こうかな。私とは違う私が戦った記憶を。
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「こーへーこーへー」
かえでさんに呼ばれて振り返ると、そこには大きな荷物があった。
「手伝って欲しいなぁ」
流し目をしてるのだろうが、普段の行いか似合わない。
「手伝いますけど、どこに持って行くんです?」
「まるちゃんところ」
「礼拝堂?」
「そうそう」
手伝うって言ったし、ちょっと量が多いけど大丈夫かな?
女性であるかなでさんが運ぶのは大変だろうし。
「そういえば、こーへー」
「なんですか?」
「お父さんが連れてきなさいって言ってたよ」
「ぶはっ! 何で急に!?」
「ほら、私たちが迷惑かけたじゃない? 泉で溺れさせたり、文通もあれだったし。だから、お礼だって」
「そうか。そうだよな」
「ひなちゃんに手を出したことに関して、かなりの話はあるだろうけどね」
「ぐふっ」
かなでさんはニコニコ笑いながらいってくれた。まぁ、なんだか楽しそうだし仕方ないか。
「こーへーなら大丈夫だよ。きっと」
それは本当に大丈夫なように聞こえた。かなでさんの元気のよさは良い事だよな。
「薫子お姉さま、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
薫子さんのファンだろう子たちが集まり、私の回りにも集まる。朝の挨拶という攻撃みたいなものだ。毎度囲まれて一人一人離れていく。エルダーとはこういう存在らしい。薫子さん曰く『なれろ』だそうだけど。
「千早お姉さま、ごきげんよう」
「ごきげんよう。皆さん」
挨拶を返す。瞳を潤ませてこちらを熱っぽく見つめるのはちょっと困る。流石に慣れてはきてるが、それでも毎日だからこそだ。エルダーになる前はもう少し気楽だった気がするのだけど。あ~、でも女子高に転校した時点でそれも無いか。何より、一番の理解者であろう史が…『似合ってる』と断言したようなものだ。教室でも多少は遠慮が無いので気が楽だけど、そういう意味では体育とか水泳とかよく助かったなと思う。瑞穂さんの時は何があったのかは聞かないでおくのが正しいのだろうな。きっと。もうすぐ夏休み。優雨は病院に行くらしいし、それぞれに実家に帰ったりとかは伝えてある。
「千早お姉さま」
「どうしかしたの?」
「ちょっとお願いがあって参りました」
「お願い?」
「はい」
珍しいな。私個人にお願いなんて。しかも人前でなんてあまり無かったのに。これまでもそうだったから、今回もそんなところだろうと思っていたのだけど。薫子さんも不思議そうに見てるし。
「夏休み前に、お二方の写真を撮らせてもらいたいのです」
「写真? それは構わないけど、どこで?」
「その今日の放課後に。新聞部の資料用とその皆さんで鑑賞用で配ろうかと」
鑑賞って。それはそれで恐ろしいな。何も言わないのが華なんだろうけど。
「えっと」
「勿論、お姉さま方が嫌なら」
「いいえ、それは良いのだけど、薫子さん、構いませんよね?」
「うん。大丈夫だけど。今日の放課後だね」
そして、その日の放課後、二人で手をつないでるのと背中合わせの二つの種類の写真を撮った。それは、私たちにも渡され、皆も貰っていた。写真部と新聞部のちょっとしたはからいとの事らしいけど、生徒会も手伝ったとか何とか。
「荒神、討伐部隊、デュアルエッジ、到着しました」
「やっと着たか」
黒いコートの男は一息ついた。今までなんとか守ってこれた。しかし、荒神の脅威が部隊のほとんどを全滅近くまで追い込んだ。そこで、対荒神部隊を一つでも良いので送ってくれないかと頼んだら二つ返事できたのだ。街の者たちは無事であったが、塀の中だけである。外に居た者たちは死に物狂いで逃げた。今この支部は人でごった返してる。少しでも居住区を取り戻さねばならない。
「初めまして、早速で悪いのだが」
「初めまして、話は聞いてますので、先に居住区のほうに行きます。宜しいですか?」
「お願いします。今、闘える者が居ないのです。医療とスタッフはいくらでも使ってください」
「ありがとうございます。こちらも準備してますが、最悪はないように努力します」
最悪とは並んだデュアルエッジの面々の全滅だ。そんなことは無いといえない。最近の荒神の脅威の強さは洒落になってない。それが報告にあがっていたからだ。種族が違うからと思ったら、全く別の種族と合体でもしたかのようなものも存在してる。他の地域も似たようなものである。
「行くぞ。しばらくはご厄介になる場所だ。殲滅するぞ」
「了解」
とある支部に送られた部隊。デュアルエッジ。二対の刃を持って闘う様を模してるが、それぞれが持つ武器は一つであったりするのだから、正しくそうであるというわけではない。が、隊長である者だけは違う。盾を持たず、剣を二つ携える。ショートソードを二つ携え歩いていく。二対の刃でもって敵を殲滅するのだ。その背中を支部長らが頼もしく写り見送る。デュアルエッジという部隊は戦場を渡る鳥みたいな部隊である。そして、対荒神最強の部隊でもある。
「ジュディ、どうかしたのか?」
「私たちも大忙しよねってカロルと話していたのよ」
空を飛びまわり、色々なところへといける『ブレイブヴェスペリア』の面々は星食みの恐怖か世界を救っても、世界中を飛び回っていた。ブラスティアの無くなった世界で魔物たちが街などを襲わないために。そして、帝國とギルドやらの上の間を取り持ったことやらで話やら仕事やらが舞い込んでくるのだ。
「そろそろ纏まった休みを取らないと倒れちゃうよ」
エステルやおっさん、リタといった3人も居ないわけで、ハードなときを過ごしてるともいえる。確かに休まないと危ないだろう。
「そうだな。どっかの街でかな?」
「それなんだよね。街に寄ると大概知ってる人がいて~って流れであまり休めなかったりするし」
いまだ3人プラス2匹というパーティならではの悩みだ。
「前はビッグボス退治だったしね」
「……あれはでも仕方ないだろう。デイドン砦としては騎士団に頼みたかったけど、居座っちゃってたし」
「そうなんだけどね。誰か人を雇おうかな。こう、仕事はこちら~みたいな窓口の人」
「それも良いかも知れないわね。スケジュール管理みたいなマネージャーみたいな」
「なるほど。いいんじゃね~か」
それぞれが頷く。有名になってはいるものの、だれかれが入りたいとかも着ていた。が、忘れてただけだったりする。なんせカロルも俺もジュディもそれぞれ飛び回ったり、走り回ったりだったし。仲間を増やすのも悪くないだろうし。
「じゃあ、僕の方で探してみるよ」
「ああ。ただ気をつけろよ。どこぞのお嬢様やら魔導師やらおっさんやらにも強く言える人が良いかな」
「そうね」
「……努力すよ」
そして、俺たちに新たな仲間が出来た……
「はい、次はこれとこれね。街が一緒だから、ユーリお願いね」
「うぃ」
「ジュディさんもこちらをお願いね」
「ええ」
厳しい双子が入ってきたりしたんだけど、そこは気にしてられないのが悲しいところだ。